9月15日(日)は、森林再生指導員研修の七期生に育苗研修と植樹後の育樹となる『風の草刈り』を実修いただきました。
混植・密植方式に於ける植樹に用いるポット苗は、直径10cm程度のポットに30~90cmくらいの樹高の苗木です。どんぐりなどの種を拾い発芽するまでに1~2年、ポット苗に移すポット苗づくりから亜高木~高木が2~3年、低低木~低木は3~5年、植樹するまでに年数がかかります。
育苗の間に一番気を付けなければいけないのは、甘やかさないことです。土地本来の森を再生するということは、動物でいうところの野生生物を人間が飼育して、本来の自然界へお返しすることと同義となります。そのため、ふかふかの栄養満点の土壌ではなく、自然界に近い土質が求められます。スパルタ教育のように厳しく育苗しなければ、植樹された時に生き残る率が低くなります。
つまり、本当に苗木のことを大切にしたいなら、自然環境に準じた条件を容易し、植樹した後も野生にかえることができる強さを身に付けさせる必要があります。温室育ちの儚いいのちとするのか、9000年続く森の一役として活躍する木にするのか、育苗期間にかかっています。
『殺さない絶妙な厳しさで耐え抜く』苗木を育てることは、土地本来の森=野生の森を再生する重要なポイントといえます。
ここでも森づくりへの関わり方で真の優しさが追求され、人界とリンクした側面を考えさせられます。森の再生は、何年積み重ねても初心者の心持ちで『学ぶ』謙虚さがあれば、あらゆるシーンが『教科書』となり得るのです。
実修を重ねる研修生の皆さんに自然界の壮大さや魅力が伝わりますように。
在るものを活かす、シルワの最初の森づくり実験地 Before2016.12
After2022.5.28