東京大学 未来ビジョン研究センター兼大学院総合文化研究科広域科学専攻の教授であり、博士(学術)である江守 正多先生は、気候モデルの開発や地球温暖化予測の不確実性の評価を専門としています。約30年にわたり、地球温暖化や気候変動シミュレーションを通じて、未来への備えの必要性を発信してきました。江守先生は、地球温暖化についてわかりやすく解説するため、YouTubeなどのメディアも活用し、常に最新の情報を提供されています。
シルワの代表理事である川下は、32年前に地球環境の異常性に気づき、さまざまな専門家の研究を学ぶ中で江守先生の講演に出会いました。その講演を通じて、目を背けたくなる厳しい現実を率直に伝える姿勢に深く感動し、密かに師事する存在となりました。
この度、シルワが推進する『森林再生指導員認定制度』において、江守正多先生が講師としてご協力いただけることとなり、大変光栄に思います。私たちの取り組みをさらに強化し、次世代に森を再生するための知識を継承する一助となることを期待しています。
土地本来の森は、文化や文明の基盤であり、「森が滅びる時、文明も滅びる」という歴史を人類は繰り返してきました。安全な水、浄化された大気、豊かな土壌、生物多様性、防災・減災といった多方面の恩恵をもたらす森を再生するための知恵は、次世代へ確実に引き継がれなければなりません。シルワの『森林再生指導員研修制度』は学生は、受講料が無料となります。現在までに高校生・大学生~社会人まで76名が認定を受け、各地で活躍しています。
江守正多先生は、年始のシンポジウムで「森を再生することは、地球温暖化の緩和策となり得る」とお話しされ、私たちを励ましてくださいました。今回のパートナーシップにより、受講生が地球環境の現状をより深く理解し、なぜ森を再生することが重要なのかを立体的に学んでいただけると確信しています。
博士(学術) 江守 正多先生
現在、東京大学 教授 未来ビジョン研究センター兼大学院総合文化研究科広域科学専攻
国立環境研究所 地球システム領域国立環境研究所 地球システム領域 (nies.go.jp) 上級主席研究員 神奈川県生まれ。1992年、東京大学教養学部基礎科学科第二卒業。1997年、東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻博士課程修了。学術博士 論文の題は「A Numerical Study of the Feedback Processes in the Hydrological Cycle in the Land-Atmosphere
System(陸面-大気水循環におけるフィ-ドバック過程の数値的研究) 」
地球シミュレータなどでのシミュレーションに用いられる気候モデルの開発・改良や、地球温暖化予測の不確実性の定量的評価などを専門とする。 著作は研究論文だけではなく、一般向けに地球温暖化に関する解説書も執筆している(#著書・共著を参照)。国立環境研究所のQ&Aに寄稿しているほか、メディアにおいても解説役を務める。近年は地球温暖化に対する懐疑論に対抗する「懐疑派バスターズ」の一員も務める。